怪談とスカートは短いほどいい

淑やかな悪夢 (創元推理文庫)

淑やかな悪夢 (創元推理文庫)


フィンテック、AI、ブロックチェーンなどで
凝り固まった頭を怪談の古典で
やさしくもみほぐす。

『淑やかな悪夢』シンシア・アスキス他を読む。
倉阪鬼一郎南條竹則西崎憲が選んで訳した
選りすぐりの「英米女流怪談集」。
お目当ては『黄色い壁紙』シャーロット・パーキンズ・ギルマン。
西崎憲の解説によるとヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』にも
つながる「「狂気」と「超自然」の裡にあるもの」だそうで。
なるほど。『ねじの回転』ファンのぼくが、
額ずくできばえ。
巻末の編者の鼎談で怪談は短編がいい的発言に同意する。
お化けも女性の方が怖いから、
怪談も女性の方が怖いかも。
あとは『証拠の性質』メイ・シンクレア、
『蛇岩』ディルク夫人も好み。

かつて知り合いがアルコール依存症になって、
ある日脂汗を浮かべて部屋の天井を指さして震えていた。
誰かがこちらを睨んでいる。
お祓いをしてくれと。
幻視という症状だった。
祈祷師を呼ぶか、
アルコール依存症病棟に入院させるか。
常識的には後者だが。
でも、幻視じゃなくて本当に睨んでいる誰かが
天井裏に棲みついているとしたら。

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