現ナマに手を出すな

仮想通貨で銀行が消える日 (祥伝社新書)

仮想通貨で銀行が消える日 (祥伝社新書)


喉の痛みがおさまって
咳が少々、痰が多々。

『仮想通貨で銀行が消える日』真壁昭夫著を読む。
著者は元バンカーの大学教授。
記事を書くんでネタ本として読んだ。
いみじくも大手都銀が人員削減・規模縮小を発表したり、
某信託銀行が地方の住宅ローンの扱いを止めるとか、
そうなりつつあるようだ。
仮想通貨なんて聞くと例のビットコイン消失事件で
怪しげに思われる人もいるけど、
実際はそうじゃないようだ。
たとえば海外送金などはレート換算など面倒だし、
手数料も結構取られる。
それが仮想通貨を使うと手数料も安くて早く送金できるようになる。

仮想通貨を形にしたのはフィンテックだが、
その核となるブロックチェーンの中身が
細かいところは抜きにしてすごいことはわかる。
いままでの銀行業務では大変だった決済が、
楽に、速く、正確にできるようになるのだから。
このまま生活に浸透すると、
人々は銀行抜きでお金のやりとりをするようになる。
フィンテックにはIT企業などの新規参入がみられる。
スマートフォンがそのメインとなるそうだが、
アプリの使いやすさなどが選択基準となるかもしれない。
スマホがおサイフ、クレカ、家計簿、通帳、ローンなど
パーソナルファイナンシャルライフを担う。
現金からバーチャル通貨へ。

amazonの登場により町の書店が減る一途にある。
数々のファッション通販サイトの出現により
若い女性はデパートや町のブティックでは買わなくなったようだ。
その流れがいよいよ銀行にも来ると。
金融インフラというよりももっと大きな社会インフラになると。
銀行というパッケージはなくなるが、
銀行業務という中身が拡散する。
従来の銀行も横並びではなくて
強みに特化したものとなって
専門店化へ深化していくのだろう。

じゃあ銀行員はどうすればいいんだという叫びは、
かつて工業用ロボットが普及すると
工員が不要になるといわれていたのと同じ。
ITでできるところはITで。
人でないとできないところはまだあるし、無くならないし。
結局、そうはなっていないわけだし。と楽観的な結びで。

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