- 作者: リディア・デイヴィス,岸本佐知子
- 出版社/メーカー: 作品社
- 発売日: 2016/06/20
- メディア: 単行本
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いろいろブログに書きたいものがあるが、
まとめるまでいかないので
短く感想メモを。
『分解する』リディア・デイヴィス著を読んでいた。
この本は例によっていろんなテイストの短い話が
詰まっている。
ほんとうに短いのは、どことなく自由律俳句っぽい。
『分解する』は、恋の清算を清算する話。
ゲスじゃなくても、別れると、いくら彼女(彼氏)に使ったかって
ふと計算する気分。
懐かしい気分。
別れた夫が出てくる。
ポール・オースターのことか。
この訳文がとても気に入ったので引用。
「声の大きなミルドレッドは私の下の階に住んでいる。
上の階にはコネチカット出身の若い女が三人住んでいる。
一階の部屋には女ピアニストと二人に娘が、
地下にはレズビアンの女たちが住んでいる。
私は善良な市民で、母親で、夜は早く寝る。
でもこんなアパートで、
どうやって普通の生活を営めというのだろう。
ここは飛びはね躍るヴァギナたちのサーカスだ。
十三のヴァギナに、たった一つのペニス
―私の幼い息子の」