仕事は重なる

騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編

騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編


ひと山越えたと思ったら、
ひと山が突然浮上して。
平成新山かよ。
法事も控えているつーのに。

で、『騎士団長殺し村上春樹著を読んだ。
村上作品の焼き直しとか、マンネリズムだとか、
いろいろネット上でもささやかれていたけど。
ぼく個人では、楽しめた。
著者に対する見方が厳しいものがあるのは、
期待が高いからなのか。
パンみたいに売れるから。
あるいは女性にモテキャラだからという
嫉妬からくるものなのだろうか。
例えば山下達郎の新しいCDが出たとして、
マンネリやいつものワンパターンとかは
言わないだろう。

大枠でくくると、
自分探しの旅の大きな物語
小説がエンタメ系の王者だった頃への
リターンマッチ。
バルザック並みの俗物キャラ。
そこに絡む絵画から抜け出た
騎士団長をはじめとしたキャラは、
ジブリのアニメーションのようで。
第二部後半、肖像画家の主人公が
地底国をさまようさまは、
RPGの1ステージのようで。
出あうキャラから情報を入手したり、
自分のアイテムを交換したり。
わくわくした。

ロス五輪の閉会式で
東京から土管をくぐって
地上に出たマリオ。
実は、総理大臣だったというシーンも
思い浮かべてしまった。
祖父がキシとか言う。
ほら、つながった。

主人公と友人の関係、
肖像画を依頼したIT長者の接し方は、
レイモンド・チャンドラーのハードボイルドものに
流れるホモソーシャルっぽさが濃厚で。

ハッピーエンドかどうかよくわからない終わり方。
元のさやに戻る。
でも、元ではなくて
何らかしら修正された、ヴァージョンアップされたさや。

缶ビール―実は第三のビール―を最近よく飲むようになったのは、
気温のせいもあるが、この作品の影響もある。

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