目にうつる全てのことはメッセージ

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)


『あなたの人生の物語』テッド・チャン著を読む。
映画『メッセージ』の原作となった作品を含めた中短篇集。
いやあ、まいりました。
どれもみなよくて。
グレッグ・イーガンだと、その突拍子もつかないひろがりに
ただただひれ伏すしかないのだが、
この作者の書くものは、
SFだけど、現代小説の最先端、違う、
メインストリームと言ってもいい。
ハヤカワSF文庫じゃなくて、
国書刊行会白水社 エクス・リブリスにあっても
おかしくはないですぜ。

『メッセージ』は、突如出現した異星人とのコンタクトをはかる話。
数学、物理学、言語学、いろんな方面からアプローチをとる。
コミュニケーションをどうとるのか。
そこに子どもとのコンタクトがインサートされる二重構造。
なんて知的なんだろ。
ここに出てくる異星人は、地球人の言語とは
まったく異なった生成をしているようで。
赤ちゃんやNHKスペシャルの『イゾラド』など、いわゆる未開人、外国人。
接近遭遇したとて、100パー理解しあえるなんてありえないし。
異星人のフォルムも独創的。

『顔の美醜について―ドキュメンタリー』は、偽ドキュメンタリー。
インタビュー映像が脳内にオンエアされる。
意外と辛辣で意地悪で、笑える。
女性がみな美人だったら、どうなる。
つまらなくなるだろうな。

映画『メッセージ』の予告編を見たが、ああいうふうにしないと
映画にはならないのか。集客につながらないのか。
でも、見たいけど。


 

 

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