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怪奇小説日和: 黄金時代傑作選 (ちくま文庫 に 13-2)

怪奇小説日和: 黄金時代傑作選 (ちくま文庫 に 13-2)

 

移動中に『怪奇小説日和』西崎憲編訳を読む。
短編が主なんだけど、
最初から怖い。途中から怖い。読んでから怖い。
数日経ってから怖い。夢に出たら怖い。
いろんな恐怖が味わえる。
ふと、これは編訳者の架空の短編アンソロジーではないかと
考えた。レムやボルヘスのように。単なる妄想。

印象に残った3作。
ヨナス・リーの『岩のひきだし』は、
北欧の海岸が、実は巨大なひきだしだったという。
シュールな絵が浮かんだ。
エイクマンの『列車』は、短編にしてはちょい長め。
乙女二人の冒険旅行。
鉄道に憑りつかれた一族との出会いがあって。
奇々怪々なガーリッシュ・ホラー。
トマス・バークの『がらんどうの男』は、
落語の怪談噺にも通じる怖さ。

巻末の「怪奇小説論考」は、よくまとめられていて、
読みたい本がおいでおいでしている。
ゴシック・ロマンスとモダンホラーの間が、
怪奇小説の黄金時代」だったとか。

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