- 作者: J・M・クッツェー,鴻巣友季子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2011/12/20
- メディア: 単行本
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新しく始まったラジオ番組をチェックする。
ほとんどが、TBSラジオ。なぜ。
『遅い男』J.M.クッツェー著を読む。
老いらくの恋がテーマ。
行き違い、思い違い、カン違い。
バツイチ、事故で片足を喪失した初老の男。
男の身の回りの世話をする人妻。
彼女は家族でクロアチアから移民。
母国では、アート修復師のキャリアがあったが、
オーストラリアではヘルパーで糊口をしのぐ。
肉感的な肢体の彼女から
甲斐甲斐しく世話を受けているうちに、
恋が芽生える。一方的な。
そこになぜか女流作家が登場。
男をかく乱する。
このおばはんが曲者で、
暴れれば暴れるほど、話は面白くなる。
懐かしい言葉で言うと、大変なトリックスターぶりを発揮する。
三角関係なんだけど、ねじれて、苦いストーリー。
小金は持っている男は、
好意の代償としてヘルパーの息子の学業支援を申し出る。
そこでもすったもんだ。
片足の足長おじさん。
リアルであってリアル一辺倒ではない。
チェーホフまたはウッディ・アレンのようなユーモアがあって。
一筋縄じゃいかない。