飴が空から降れば

テロ

テロ

 

お彼岸なのでおはぎを食べる。
ついでに、冷凍しておいた会津屋のラヂオ焼きとたこ焼きも。

『テロ』フェルディナント・フォン・シーラッハ著を読む。
小説というよりも戯曲形式。びつくり。
作者の主張を的確に伝えるため、選択したスタイルか。
小説にすると、情景描写や心理描写などに、
この何倍もの分量がいる。
小説のまどろっこしさというのか、
好きでもあり、嫌いでもあるところなんだけど。
たんたんと理詰めで進行する法廷劇。
弁護士でもある作者にはお手の物か。

テロによる多数の犠牲者を阻止するために、
少数、といっても200名余りが登場していた飛行機を
テロリストもろとも撃ち落とした空軍パイロットが主人公。
これは有罪か否か。
なんだか大学の法学部の法解釈問答のようだが。
作者の小説のテーマである「罪と罰」を
今様にした作品。

「人を一人殺せば人殺しであるが、数千人殺せば英雄である」。

 

この一文を思い出した。
これは、ネット検索したら、ポーテューズの言葉だそうだが。

結末が有罪と無罪の場合と2つある。
それぞれの「判決の根拠」を比べると興味深い。
裁判は、ともかく判決を下さなければならないわけで。
シロかクロか。
でも、ほんとのところはグレイゾーンが多いのでは。

巻末の「是非ともつづけよう」という記念スピーチが
納められている。
ここに作者のテロへの考えが述べられている。

「テロ行為は法秩序に違反するものでなく、法秩序への
攻撃攻撃」

 


首肯。

 

「わたしたちの民主主義を破壊するのはテロリストでは
ないということです」

 

じゃあ、誰なんだ。納得のいく答えがそこにある。
まさに、慧眼。

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