変身の術


固まった蜂蜜は湯せんだと時間がかかる。
レンジで20、30秒ほどチンすると、いい。
ネット情報より。
うまくいった。お試しあれ。

今週の電車本は『カフカ多和田葉子編。
多和田訳のカフカが読みたかったから。
代表作『変身』って、
タイトルと男がある日、虫になるという内容が有名だけど。
いっとう最初に読んだのは
高橋義孝訳だったろうか。
そのときは、乱歩の『芋虫』のような幻想怪奇小説
思って読んだ。
次は池内紀の新訳で。
そのときは、ヒッキー(ひきこもり、出社拒否症)の話として
読んだ。
で、今回は多和田訳。
『変身(かわりみ)』とルビ入り。
読んでいるうちに多和田の小説を読んでいるような気になってきた。
彼女の解説を読むと、『変身(かわりみ)』を
「介護」の話として解釈したそうだが、確かに。
主人公グレゴール・ザムザザザムシみたい―は、
変身前は一家の稼ぎ頭で経済を支えていた。
ところが、要介護者となってからは、手のひら返し。
有能から無能、有産から無産。
ま、教訓話ではないので、それはそう読めるのであって、
相変わらずの不条理っぷりを愉しめばいい。
ミニマムな文量にマキシマムの世界。
小説以外に労災保険局勤務時代の公文書や書簡も読める。

訳者が違うと、また読み手の年齢も異なると、
読むたびに違った見え方をする。

ポケットマスターピースと銘打たれたこの文庫本も、
また、ミニマムな文量にマキシマムの世界だといい。

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