いざとなったら氷のハンマー

ブロの道: 氷三部作1 (氷三部作 1)

ブロの道: 氷三部作1 (氷三部作 1)


珍しく体調を崩して、アルコール類を口にせず、
つーか飲みたくない。睡眠を多めにとる。
今日あたりから、通常運転。

『ブロの道』ウラジーミル・ソローキン著 松下隆志訳 を読んだ。
「氷三部作」のエピソード1。
『氷 三部作2』が、抜けば玉散る氷のハンマーを用いて
活劇風かつポップな展開だったのに対して、この作品は
荘厳、重厚。

ツングース隕石探検隊の一員だった若者が、
ツンドラの沼で氷のハンマーのもとである
不思議な「氷の塊」と出会い、覚醒する。
「肉機械の戦争」を氷のハンマーの武器で戦い勝利を収める。
それは、救済、世直し。
氷のハンマーは『スターウォーズ』のライトセーバーの氷版かとも。
兵士を「肉機械」、より物象化、即物化している。
ふと「戦争機械」を想像したが、もっと単純。
スターウォーズ』のクローン・トルーパーや
ガンダム』のザクとか。

訳者あとがきの見出し、「神話の原点の遡行」。
神話の構造、確かに。
コンクエストもののゲームになるかも。
この作品の象徴的な場面は、ウィリアム・ブレイク宗教的な絵を思い出す。
形而下での、光、そして氷。
長篇文学の国の作家の末裔ゆえ、タフでその懐は深い。

『氷 三部作2』の拙レビュー。
http://d.hatena.ne.jp/soneakira/20150314

 

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