キューン ソネー

歩道橋の魔術師 (エクス・リブリス)

歩道橋の魔術師 (エクス・リブリス)


このところ、週末、雨の日が多い。
大量の洗濯物を、浴室乾燥機で乾かす。
肌寒い日には、温風が心地よく、
ポールにぶら下がった洗濯物とともに、
しばし、本を読む。
バスケットで寝ている猫も
バスケットごと移動させようかと思ったが、
なぜか警戒され、抵抗を受ける。

読んでいたのは『歩道橋の魔術師』呉明益著 天野健太郎訳。
かつて人気ショッピングセンターだった「中華商場」を
舞台にした連作短篇集。
日本でいうと、中野ブロードウェイとか。
ぼくの場合はいまは閑古鳥が鳴いている駅前のアーケード街かな。
ここでお店を出している家の子たちが主人公。
彼らの行動や考えからぼくもその頃にタイムワープしていた。
魔術師は、時折、登場しては
日常生活を破壊する。

はじめてなのに、懐かしい。
東南アジアの国々を訪ねると、そんな気持ちになる。
なぜだろう。
ホウ・シャオシェンの映画を見たときにも。
そんな読後感。
登場人物で自殺者が案外多いのと、
すぐ女の子とエッチしちゃうのは、村上春樹の影響なのかなと
素朴に思う。

とはいえ、台湾。
商魂たくましく、留学や移民も活発。
食べ物もうまそうで。

海炭市叙景佐藤泰志著の抒情にも通じるかも。
「海炭市」が「中華商場」ね。
ノスタルジーにシュールさを隠し味にしたポップ具合が絶妙。
キューンときた。「星3つです!」
youtubeを探したら、中華商場の歴史を紹介する映像があった。
参考までに。

中華商場的興衰(1961-1992) - YouTube



ここまで書いて寝かせて置いたら、
晴れて来た。
晴れた午後はいいね♪

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