美字アル系

皆勤の徒 (創元日本SF叢書)

皆勤の徒 (創元日本SF叢書)


現代詩手帖』2015年5月号【特集】SF×詩――未知なる詩の世界へようこそ!で
荒巻義雄と酉島伝法が気になって、
まずは『柔らかい時計』荒巻義雄著を読んで、
次に『皆勤の徒』酉島伝法著を読んだ。

ハードSFというと、なんかカタカナっぽい文章を
イメージするが、この本は違った。
漢字、しかも画数の多い漢字。
るびを付けないと読めないような凝った言い回し。
うまい表現方法がめっからない。
世界はギーガーあたりを和風にしたような怪奇的、幻想的。
読むスピードをいつもより落として
凝った文体を味わうように読むと、
シュールな光景が脳内に投影される。

本業がグラフィックデザイナー&イラストレーターで、
本人作の挿入装画が何枚か。
まずこの絵があって文章を構築したのだろうか。
原画で見たら、もっと緻密なところが見えるのだろう。
デザイナーだから作字して自分の気に入った感じをつくったりして。

荒巻義雄の作品は即座に英訳されても違和感なく伝わるだろう。
酉島伝法のは、英訳されたら、かなり平板になるかもしれない。
余計なことかもしれないが。

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