- 作者: ウリニーズィー,ジョン・A.リスト,Uri Gneezy,John A. List,望月衛
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2014/08/29
- メディア: 単行本
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仕事本で
『その問題、経済学で解決できます。』
ウリ・ ニーズィー (著) ジョン・A. リスト (著)を読んだ。
インセンティブは、ご褒美、ボーナス、馬の鼻先のニンジン。
いいことばっかじゃなくて、アメとムチのムチも同時にあるようだが。
論より実験ということで経済学の広範囲なフィールドで
いかにインセンティブが有効かを試みる。
へえ~と思ったのが、
身体の不自由な人とそうでない人とでは、
クルマの修理の見積が違うということ。
前者の方が高い。
白人とそうでない人が、
クルマを買いに行くと
後者の方が高いそうだ。
ま、差別っちゃ差別だけど、人間心理みたいで、
ぼくもあなたも当事者なら、そのようにしてしまうはず。
そいうときは、
「相みつ(相見積)していますが」と言うと、
あーら不思議、たちまち、見積が下がるそうだ。
「「損失回避」と呼ぶ効果が本物の工場で働くのを見たかった」
で、効果を上げたのは
「報酬型の枠組み」(アメ)か「罰則型の枠組み」(ムチ)か。
「罰則型の枠組みの下で働くチームの生産性は、6カ月にわたって
毎週毎週上昇を続けた」
意外だよね。
「明らかに、得たものを失う恐れの方が、得られる見通しの喜びよりも、
働き手のやる気を引き出せる。つまりアメはちょっとムチみたいに見せた
ほうがうまくいかもしれないということだ」
人を指導する人は、ここ、よく噛みしめるように。
「損失は強力なやる気の素だ」
ゲインよりもロスを嫌う。だから、そうしまいとふんばる。
どうもタイトルが釣り気味というか、風呂敷を広げ過ぎているような。
行動経済学関連のマーケットで二匹目、三匹目のどじょうを狙うなら、
堂々とパクって『ヤバいインセンティブ』とか、
『サルでもわかるインセンティブ』とかにすりゃいいのに。
勝手にそう思った。
翻訳がどことなく山形浩生っぽい。