1円ライター

虹色のトロツキー (1) (中公文庫―コミック版)

虹色のトロツキー (1) (中公文庫―コミック版)

いつもの時期に、いつもの仕事。
今回は、若干増量で、ありがたく、ゆるゆるとかかる。
かつては100円ライターと自虐的に言っていたが、
―イトイシゲサト先生が1行100万円とか言ってた頃―。
いまは1円ライターかよと。デフレじゃん。
クラウドなんちゃらに登録して
あなたにぴったりのお仕事がありますよってメールが来るが、
ほんと、1円ライターの仕事ばっか。
スーパーマーケットのチラシの値段並み。
それでパクリじゃなくてオリジナリティの高いものなど、
条件がいろいろ。
やれやれ。いまさらだけどね。

一度読みたかった『虹色のトロツキー安彦良和著を
図書館から借りて読んだ。何せ全8巻。
舞台は、動乱期の満洲
建国大学の学生となる日本人とモンゴル人のハーフの主人公。
村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』に出てきたノモンハン事件
興味を覚え、関連する本を読んできたが、
最初に、この漫画を読めばよかった。
絵が魅力的なのはもちろんだが、史実がぞんぶんに取り上げられ、
ドラマチック。
情報量がハンパなく、読んでて疲れることも。
たとえば中国と日本とモンゴルとソ連の関係。
これは国家間の権力闘争だが、
軍や政治家、官僚内でも絶え間ない権力闘争。
勝ち得たものの指揮下にある兵隊は、
誤っている、もしくは無謀な作戦にも
従わざるを得なく無駄死にする。
当時のキナ臭い世情がよくわかる。
最終巻になってようやくノモンハン事件が勃発するのだが、
最新鋭の戦車などソ連軍に対して結局は人海戦術で対抗せざるを得ない日本軍。
日本の部隊は殲滅状態だったらしいが、
後年ソ連軍とて被害は甚大だったらしい。
司馬遼太郎が取材や膨大な資料を用意したにもかかわらず、
書かなかった、書けなかったノモンハン事件
アベ首相の祖父も満洲国官僚でチョイ役出演。

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