イタい

うちでは、クルマというと自転車になる。
悲鳴を上げていた自転車、先日、死んだ。
買った自転車ショップチェーンの違う支店まで
運んだが、ドクターは手の施しようがないと。
近々妻の入院もあるし、ないと困る。
翌々日、変速ギア付きでいっちゃん安いのを買い求める。
行きは電車、帰りは自転車。
その軽快なこと。
粗大ごみいきのも、最初は快調だった。
近所の公園のサイクリングコースをグルグル回った。
イタい出費。

さてと、『靴の話/眼-小島信夫家族小説集-』を読んだ。


「『アメリカン・スクール』から『抱擁家族』までの10年間の
短篇作品を精選」


したもの。
なるほど、小島信夫の小説の作風が、うかがえる。
家族、友人、職場などの関係性をテーマに、
一種の偏執狂と思える人物が登場してくる。
なぜにそこまでねちねちしているのか。
イタい人たち。
金、セックス、名誉など欲望が、あっけらかんと書かれている。
私小説なのか。
素材は同じなのだが、どうも書き上げているうちに
そこを大きく逸脱してしまう。
意図的か、そうでないのか。
この短篇集には、後年の大著つーか問題作『別れる理由』につながるものが見える。

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