文化的雪かき

海松(みる)

海松(みる)

そう言えば『海松』稲葉真弓著を読んだ。
生家そばの半島の売れずにいた変形敷地を購入して
セカンドハウスを建てる。
東京のマンションから猫とともに、訪ねる。
ひとりで生い茂った藪を刈り取る作業。
それは、過去に出会って亡くなった人々への、
あるいは自分自身の人生への喪の儀式のようだ。
自然の強さ、人間の脆さ。静かでうら哀しい短篇集。

作者は

「80年代後半から90年代初頭にかけて倉田悠子の変名を用いて
くりいむレモン』などのノベライズやファンタジー小説を執筆していた時期がある」


これは意外だった。
生活のためなのか、それとも何か意図があってのことなのか。
依頼された仕事は断らない。
村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』の主人公をふと思い出した。
そう、名言、「文化的雪かき」。
ロリコンポルノも、教祖様を戯画化した余り上等とは言えない漫画も
「文化的雪かき」には相違ないだろう。

周囲でインフルエンザが流行っている。
風邪気味のまま、だらだらと花粉症に突入するのだろう。
本業はコンぺの打ち合わせ。連絡待ち、請求待ち。

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