- 作者: 小泉義之
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2014/07/14
- メディア: 単行本
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『ドゥルーズと狂気』小泉義之著を読む。まとまりのないメモ、2回目。
資本主義は
「脱領土化・(再)領土化・(再)脱領土化のサイクルに閉じ込められ」
「現在では「袋小路」に陥っています」
「出口なし」状態。
「ドゥルーズ+ガタリが展望するように、資本主義社会が分裂病化しているとするなら、それに「適応」する人間は、外見的にはスキゾイド化していると見てもよさそうです」
だそうだ。
『シゾイド人間―内なる母子関係をさぐる』小此木啓吾著から著者引用。
「小此木は、「シゾイド人間の心理」として5点を列挙しています。
「第一に人との深いかかわりを避けるということです。それななぜでしょうか。実はシゾイド人間も親密なかかわりを内心は望んではいるのですが、その一方で深い人間的なかかわりをもつことを恐れているからです」。「第二にあげたいのは同調的ひきこもりです」。「第三は自分を失う不安です。これをわたしは「のみこまれる不安」と呼んでいます」。「第四は全能感と貪欲さです」。「第五は一次的、部分的かかわりしかもたないということです」」
この本も大学時代に読んだ。ネットもケータイもなかった。
モラトリアム人間とかシラケ世代とかが流行語だった頃。
なのにナウだよね。
「日本では、1960年代半ばから精神病院の改革の動きが始まっています。―略―端的にまとめれば、精神科の患者の人権を守ることです」
しかし、それ以降、中でも「1993年の精神保健法改正」、
それにより起こったことは、
「精神・心に問題がありそうなのに、精神・心の専門家の手に負えない者が、精神薄弱者・精神病質者・その他精神疾患なのです」
彼らを
「一貫して、医療の手に負えない者を無視し続けたのです」
『狂気と犯罪―なぜ日本は世界一の精神病国家になったのか』芹沢一也著では、
「精神医療が治安と結び付いてきた経緯を指摘し、それが精神医療の領土化に果たした役割を的確に指摘しています」
「変質者、精神病人格、遺伝変質者、精神失墜者、精神失墜者、精神病的性格、などである。現在では、人格障害と呼ばれているのがそれだ。現代の精神科医は人格障害者を、治療不可能という理由から避けようとするが、「狂気」の範囲を何とかして拡大しようとしていた当時の精神医学にとっては、それはなくてはならない存在だった」
(『狂気と犯罪―なぜ日本は世界一の精神病国家になったのか』芹沢一也著)
結果、収拾がつかなくなったのか。
うまくまとまらず。今後の宿題ということで。
「愛によって破壊することなしに、いかにして愛するのか」
精神分析家・フェアバーンのこの一文に、バキューーン!!射抜かれた。
「愛は惜しみなく奪う」は、有島武郎か。
奪い奪われの最期なのかしらん。
恋愛もお互いの心の領土化と言えなくもない。