伝奇グルーブ

螺法四千年記

螺法四千年記


暑いし、蒸すし、現状や今後のことを考えると、
とてもとてもリア充とは呼ばないので、
しばし非リア充な世界に逃避しようと、
今週は電車の中で『螺法四千年記』日和聡子著を読む。
ありそでなさそ、なさそでありそ。
魑魅魍魎、摩訶不思議な世界。
伝奇的なノリだから、伝奇グルーブ。
怖いようでかわゆくて、でも、ほんとは怖い。
読みつつターンドオンしていく。
バッドトリップ、グッドトリップ。
読んでいるときのぼくの姿も何かに変身していたりして。
漫画化するなら、誰がいいだろう。
水木しげる諸星大二郎
意外なところで吾妻ひでお

主人公が訪れる骸(むくろ)温泉。
箸袋に書かれた骸温泉歌が気に入った。
実際、知られざるご当地の温泉の歌や音頭とか
目にしたことがある。
作者は詩人ゆえ。そこかい!自分ツッコミ。
骸温泉というネ-ミングがまずいい。
もっとも、白骨温泉とかあるけどね。

「骸温泉歌

むくろ温泉 むくろのお宿
一度 浸かれば あとには戻れぬ
ともに入ろう この世のなごりに
頭をしっかり洗うべし
きれいさっぱり 旅立つ前に

むくろ温泉 むくろのお宿
二度と 帰れぬ わが家のお家
湯の底もぐれば あの世の宿に
頭をすっかり冷めたあとで
最後の言葉も 告げることなく

(むくろの谷の お宿のお湯に
浸かって 洗って 静かなる
あらたで あたらな
さびしく わびしい
むくろの世界へ)      」

 

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