リンゴをかじって

チューリング

チューリング

チューリング 情報時代のパイオニア』B・ジャック・コープランド著を読む。
まず驚いたのは、数学オタクはオタクに違いないのだが、
青白きインテリタイプじゃなくて、アスリートとしても、優秀。
ひょっとしたらオリンピックに出るほどの能力があったそうだ。
よく考え、よく走り、よく自転車を走らせてそうだ。
ぴったりの画像があった。

なんとなくディカプリオっぽいか。
映画『炎のランナー』とダブる。

コンピュータを単なる計算機じゃなくて、すでに人工知能的なものとして、
その可能性を予見していたチューリング

また、チューリング


「キングズ・カレッジで数理論理学を教える」


傍ら、


ウィトゲンシュタインの行う数学の基礎についての連続講座を受講していた」。

 1939年、チューリング27歳、ウィトゲンシュタイン50歳。
チューリングウィトゲンシュタインの出会い。
たぶん考え方のベクトルはまるっきり違っていただろう。
だが、天才を知るのは、天才だけで、
意見が食い違っても火かき棒を振り回すことはなかっただろう。

暗号エニグマ解読でイギリスをはじめとした連合国の勝利に貢献したが、
国家機密ゆえその実績は極秘にされ、機械は破壊される。
タブーとされていた同性愛が、露呈してしまう。


チューリングは毒の入ったリンゴをかじって自殺したと聞かされている」

作者は、疑問を投げかける。
確かに、「ゲイである罪」で女性ホルモンを投与されなければならなかったが、
投獄との二者択一だったそうだ。
仕事は、うまくいっていたし、自殺する理由が見当たらないと作者は述べている。
このエピソードから、スティーブ・ジョブズは、
アップルコンピュータと名づけ、かじられたリンゴをマークにした。と、思ったら、
確証はなく、諸説の一説みたいだ。


わずか「41年」という短い人生。
死後、彼の取り組んでいたさまざまなものがようやく形となりはじめる。

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