理由は要らない

ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える

ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える

『医学的根拠とは何か』津田敏秀著で取り上げられていた
ビッグデータの正体』ビクター・マイヤー=ショーンベルガー ケネス・クキエ著を読む。

スモールデータの世界では、直感で思いついた因果関係の誤りに気づくまで長い時間がかかった。今後はこれが変わる。将来、ビッグデータから見つけ出した相関関係によって、これまでの直感による因果関係の誤りが次々に修正されるはずだ。現象とその原因とされてきたものの間には、実は統計的な結びつきなどないことがはっきり示されるだろう」

「直感で思いついた因果関係」ってさぁ、名探偵とかの犯人あてや謎の解明だよね。

「日常生活では因果関係で物事をとらえることが多いため、因果関係は簡単に見つかると考えがちだが、現実はそんなに甘くない。数学的に浮かび上がる単純明快な相関関係と違い、因果関係は「証拠」を数学的にはっきり示す方法がない」

と、述べられてしまうと反駁の余地もないが。

「人間の脳は情報の乏しい世界に慣れきっているため、ついつい限られたデータで理屈をつけようとする。関連する要素が多すぎて原因を1つに絞り込めない状況でも、そのように考えてしまうのだ」


「因果関係」から「相関関係」へ。

「答が分かれば、理由は要らない」


ミステリー作家は、困ってしまうが。
じゃあ、ビッグデータですべてがつるっとまるっとお見通しなのか。
データ=過去の膨大なデータは、現在・未来までをも包含しているのか。

そ、そうかな。
グルーインやモニタ調査から画期的なアイデアって出ないと思うけど。

「優れた才能がいつもデータに頼るとは限らない。スティーブ・ジョブズは―略―iPodiPhoneiPadの開発では、データではなく自分の直感を駆使した。第六感を重視したのだ。―略―「何が欲しいのかを消費者に言わせるようではダメだ」という明言も残している」

ほらね、ビッグデータは万能じゃない。でも。

「現時点ではビッグデータから得られるのは、十分と言えるレベルの答えだ。むろん、今後もっと優れた手法が登場し、ずっと精度の高い答えが得られる可能性もある。それでもビッグデータというツールを使うときに常に忘れてはならないことがある。それは、十分に謙虚な姿勢と人間性だ」

あと、興味深かったのは、データを収集するときは、
清濁併せてするようにというもの。Googleの翻訳が

「乱雑な(「ゴミ」)データも受け入れ」「データ量を増やした」。


その結果、

「翻訳の精度」も上がり、「充実度」も上がったとか。


「量は質を凌駕する」。


これってブレストするとき、出てきたアイデアは批判しないという原則と
似ているような。

春の嵐。桜よ、まだ散るな。
キリンジの『乳房の勾配』。知らなんだ。
エロティックな小説の断片を思いつく。

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