過去の分析から未来はわからない

『数学的決断の技術』小島寛之著を読む。
「やさしい確率で「たった一つ」の正解を導く方法」という副題。
この手の「やさしい」だの「文系でも」「サルでもわかる」とか
常套句がついているが、大概は、平易に書くのが苦しくなって
つい数式などで逃げこんでしまう。
頭の弱い読者として責める気は毛頭ない。
著者は、最後までやさしく書き上げている。

判断がしづらい時代に、どう判断するのか。
間違って判断したら、どうリカバリーするのか。
あふれる情報、真贋の選別はどうつけるのか。
そこで数学が役に立つと。
数学的思考の数々を、短い文章量でレクチャーしてくれる。
ここからもっと深く知りたい人は、
新たな本を読むべし。
ほんとは、教えたくない本。

んで、タレブの『ブラック・スワン』を取り上げている。
おもろかった。
引用の引用と引用。


七面鳥が、毎日エサをもらっている。エサをもらうたび、七面鳥は、人類の中でも親切な人たちがエサをくれるのだ、それが一般的に成り立つ日々の法則なのだと信じ込んでいく。政治家の連中がよく使う言葉を借りるなら、「一番の利益を考えて」くれている、というわけだ。感謝祭の前の水曜日の午後、思いもしなかったことが七面鳥に降りかかる。七面鳥の信念は覆されるだろう」

 


「「過去にこうだったから、未来もこうだ」とする推論の方法を「帰納法」という。確率・統計は、帰納的な推論の典型である」


「過去の分析から未来はわからない」


タレブの『ブラック・スワン』のマイレビュー。

 

コマン・タレブ - うたかたの日々@はてな

ブラック・スワン - うたかたの日々@はてな

新訳出ないかなぁ。



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