波が体を作る

『波紋と螺旋とフィボナッチ』近藤滋著を読む。
わかりやすくて楽しい。
カラー図版もたっぷりあって
理解を大いに助ける。
時折、サービス精神がいきすぎるきらいもあるが。
ま、これは読み手の好みで評価が分かれるところ。
以下ざっくりと。


「異常な(巻貝の)巻き方は、じつは理にかなっている」


ふむふむ。


チューリングは、生物の中でできる「波」は化学反応がベースになるはずと、予測した」

 

これが

「Turing波」

で、


「模様や体の構造の多くは「等間隔の繰り返しのパターン」である、と。
数学や物理で「等間隔の繰り返しのパターン」といったら、
それはすなわち「波」のことである」


「模様がTuring波だとすると、模様の違いは、波の形の違いということになる」

キリンの皮膚模様のひびやメロンの模様やトンボの翅脈などができる原理は
Turing patternと似ているそうだ。

人により異なる指紋。
ゆえに、指紋認証などがセキュリティシステムで採用されているのだが、
これは指紋の違いは

「波の進行速度のばらつきによる」

という作者の仮説は、興味深い。


「波が体を作る」

ふと昨年の紅白でのパヒュームを思い浮かべた。
プロジェクションマッピングを使った摩訶不思議な映像だった。
映像が光の波なら、波をまとった体。
ほんとは、投影だから違うんだけど。

アラン・チューリング。悲運の天才数学者。
チューリング・マシン、チューリング・テストそしてチューリング・パターン。
作者もチューリングの早世を惜しんでいる。

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