迂回は愉快

時計まわりで迂回すること - 回送電車V

時計まわりで迂回すること - 回送電車V


『時計まわりで迂回すること 回送電車5』堀江敏幸著を読む。
愉しむための読書。
コーヒーミルの話、鉛筆削りの話、
旅先で出会った人々の話。
人懐っこいという言葉があるが、
もの懐っこいという造語でくくれる気がする。
いかがだろうか。
厄介なことを束の間忘れる。
あちこちに書かれたものを
こうしてひとまとめにしても、
文章量の長短にかかわらず、
違和感なく、堀江ワールドなのだ。
グレラン製薬前という懐かしいバス停留所も出て来る。
いまは、名前が変わったそうだ。
あのあたり、工場跡地に、大型マンションが建って一変したし。
引用の引用。


「つい先ごろ読んだ小島信夫保坂和志の往復書簡
『小説修行』―略―に、「<記憶>とは辞書の項目のように
誰が調べても同じという性質のものではなくて、響きあう人に
だけ現われる。つまり人間は、「記憶を持っている」のではなくて、
「記憶を渡り歩いている」のだ、との一節があった」」

磯崎憲一郎の小説は、まさに、それだ。


昨日、猫砂を買いに、通りに面した
近所のスーパーマーケットへ行ったら、
ゲリラ豪雨で売り場まで浸水したようだ。
片付けで臨時休業したが、
入口付近にまだ泥水の残骸があった。


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