確かに猫は鏡を見ない

なぜ猫は鏡を見ないか?―音楽と心の進化誌 (NHKブックス No.1201)

なぜ猫は鏡を見ないか?―音楽と心の進化誌 (NHKブックス No.1201)

『なぜ猫は鏡を見ないか?』伊東乾著を読む。
「音楽と心の進化誌」という副題がついているので、
むずかしい内容かと思ったが、それは枕の部分で、
ぼくには、
なんだか私小説、アカデミックなエセー風に読むことができた。


音楽、特に現代音楽って建築設計に似ている。
理系的思考、工学的思考が求められるのだろう。って、
いまさら何いってやがんでえと思われる人もおられるかもしれないが。
作者も「東京大学理学部物理学科大学院」出身で、「作曲家・指揮者」という
人もうらやむ経歴。


音楽の師匠との出会いや徒弟制度的世界が紹介されている。
いまや貴重で、理不尽な師匠の指導は、めちゃくちゃに思えたが、
後年、身に染みてありがたかったそうな。
学校教育というブロイラーぽいシステムでない教育についても、
永田農法のトマト栽培みたいな…
私塾とかそういった類の、再考してもいいんじゃなかろうか。


朝日新聞の夕刊に富田勲の自伝が連載されていて
音楽家を目指すなら東京芸大音楽学部へ進むんだけど、
当時はドイツのクラシック音楽一辺倒で
富田はドビッシーなどフランスのクラシック音楽が
好きだったから、結局、慶応大学に進んだと。


大学の同級生に、現役のとき、東京芸大の美術学部を受けてダメで
翌年、美術学部を受けてダメで。という男がいた。
卒業後は、SEになったという噂だったが、どうしているんだろう。


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