ミッキーの書式

『ミッキーの書式』大塚英志著を読む。

ファシズム体制下でのディズニーとエイゼンシュテイン
美学の統合こそが、今、皆さんが、一方では日本の伝統と、
他方ではポストモダニズムと結びつかて受け止めている日本の
まんが・アニメーションの起源なのです」


日本の現在の漫画やアニメーションは、
はじまりは手塚治虫からだと思われているようだが、さにあらず。

作者は、

「ディズニーとロシアアバンギャルドの野合」

から生まれたものと具体的に作品を取り上げ、検証していく。

戦艦ポチョムキン』などで知られるエイゼンシュテイン
「モンタージュ論」は有名だが。

のらくろ』の作者、田川水泡ダダイストから
漫画家に転身する。

のらくろ』というキャラクターは、
「ディズニーやハリウッド産のアニメーションのキャラクターの書き方
から誕生したそうだ。

ミッキーの書式とは

「円によってパーツが構成され、それが接合することで
「ミッキーの書式」が成立する」

のらくろ』の漫画は、映画よりも演劇ぽかったそうだ。

「プロパガンダ映画」としてアニメーションは発展していく。
『桃太郎 海の神兵』は、いま見てもよくできている。
動物キャラが、ゆるキャラに見えなくもない。
桃太郎のアップのシーンは、エイゼンシュテインぽい。

田川水泡の処女作『人造人間』の部分が読めるが、
なんだか新しいロボット漫画に思える。

詩人として知られる小熊秀雄漫画原作者と編集者の
役割、ダークサイド的部分にも言及していて興味を覚えた。


あとは、戦時下に、すでに「「おたく」文化」が、芽生えていたと。
卓見かも。

関連している動画をYouTubeから。

3 プレーンクレイジー Plane Crazy 19290317 19280515

桃太郎 海の神兵 1/9

鼠の留守番(1931 伴野文三郎商店 監督:大石郁雄) 歌:平井英子

のらくろ二等兵


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