頭を冷やす

そして、人生はつづく

そして、人生はつづく

予想よりも小さめの嵐が来た。
つっても、本業の話。


頭を冷やそうと『そして、人生はつづく』川本三郎著を読む。
フェリー二の映画の邦題をもじったような。
最愛の妻を亡くしてからの来し方の記。
どうも伴侶に先立たれてガックリ来るのはオスらしくて。
作者もしばし鬱々とした日々を過ごしていたが、
再び、古い日本映画とそのロケ地、鉄道旅行、本、温泉を巡る毎日。
本の後半には東日本大震災で大きな被害を受けた東北・三陸地方への
再訪の記がメインとなっている。
一人暮らしとなって「家事一年生」となっての
おぼつかない料理をするさまは、他人事じゃないかもと思う。
作者と交流のあった種村季弘で思い出したが、
生前、湯河原在住だった種村は、霊泉ままねの湯に通っていた。
それをまねてベビーカーを引いて、ままねの湯を訪ねたことがある。
ひなびていて、小さな浴槽。温泉は、しびれるほど高温だった。
赤ん坊づれだったので、見知らぬおばさんから
「どこが悪いのですか」と訊かれた。
「おれは頭です」とつぶやいた。
出前のラーメンがやけに旨かったのを覚えている。


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