失われた本を求めて

古本の時間

古本の時間

電子書籍、提出したネタver1に
担当から、あれこれ注文入る。
電話で軽く打ち合わせ。

『古本の時間内堀弘著をまたたく間に読む。
同著者の『ボン書店の幻』は、
ショーバイじゃなくて、詩と造本と出版への情熱を
感じたが、だから、消えて行ってしまったのだが。
この本も、本、書き手、古本や古書店、
その主人たちへの愛おしさと慈しみが、ひしひしと伝わってくる。
作者は、ぼくよか年長と思っていたら、1年上だった。
作者が古書店修行を経て古書店を開業した頃、社会人1年生だった。

古書店には学生時代、お世話になった。
ブックオフなんてまだまだなかった影も形もなかった頃。
永嶋慎二の漫画をまとめて売ってコンパの会費を捻出したりした。
今よりも高く買い取ってくれて、
安く購入できたような気がする。
神保町の専門店だと結構な値段がついている『ユリイカ』の澁澤龍彦特集号とか
アパートそばの古書店の店頭平台でタダみたいな値段で入手したことがある。
店のおばさんが「ほんとは、もっと高くしてもいいんだけど」と、つぶやかれた。

古書店業界30年の変遷、さまざまな出会い、商売のあれこれなどが書かれている。
蒐集家、愛蔵家のマニアックぶり。あるいは幻の本を探して執念を燃やす古書店主。
白鯨を追うエイハブ船長の如く。
旋盤工兼作家の小関智弘の本あたりと似た匂いがする。
『就職しないで生きるには』シリーズにもラインナップすればいいのに。
イケダハヤトってどうも晶文社としっくりこない。
サイのマークがぴったり似合う造本、内容。

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