ぽろぽろ


午前中、自転車に乗った。
ニットキャップをかぶってくればよかった。
公園を抜けたら、なにかがぽろぽろと落下する。
ドングリだった。


仕事関連本のついでに、
小林信彦が、激賞していた『徳川夢声の世界』三国一朗著を
図書館から借りて読む。
夢声の生涯を時代と絡めて丁寧に再現する。
活動弁士、俳優、ナレーター、エッセイストなど
多才、まさにタレントだった。
エッセイ集『徳川夢声のあかるみ十五年』を読んだことはあるが、
この評伝で、ようやく全体像がちょっとだけつかめた。
サイレント、トーキー、テレビと洒脱な話芸、存在感で生き抜いた人。
作者も書いているが、一高に受かったら、
落語家の弟子になったら、その後の夢声は存在しなかってわけで。
女優・伊沢蘭奢との恋などもドラマチックで、
ドラマで見てみたい気もする。


ところが、本筋よりも、採録されている当時の地図に目がいってしまう。
虎の門、御茶ノ水、新宿など。
古い町名。
都電(かつての市電)が、走っていたころの東京。
まるで別な都市のように思える。


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