- 作者: 三浦展
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2011/02/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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先日、『シェア <共有>からビジネスを生み出す新戦略』
レイチェル・ボッツマン/ルー・ロジャース著の感想をエントリーしたが、
なら、日本はどーよ。ってなわけで
『これからの日本のために「シェア」の話をしよう』三浦展著を読む。
ぼく的には作者の書いたものの中ではピカイチ。
「シェア」に関してもやもやしていたものを、
明確に整理整頓、仕分けしてくれる。
以下、引用と感想。
「地域社会、企業、家族がすべて弱体化した現在、
また新しいコミュニティが求められている。
シェアは、そのコミュニティづくりのひとつであると言える」
シェアハウスが空間のシェアなら、マインドシェアだと宗教的なものになるのか。ファンサイトとか。
「「私腹」から「福祉」へ、「個福」から「公福」へ」
マーケターならお得意の造語。企画書に使えるかも。
公共ってのがわかりづらいなら、いっそのこと「公福」にすればいい。
「会社を辞めて独立してやっていくのは実際大変である。
だから、単にある調査を請け負ってギャラをもらうという仕事の仕方ではなく、半年間とか一年間だけだが、正社員としてあるいは契約社員として雇用されて、その期間は安定して働き、毎月の給料として安定した所得を得るという働き方もあってよい」「こういう働き方をアメリカではインディペンデント・コトラクターと呼ぶ」
派遣社員だと、派遣会社が介在してピンハネされるが、
直契約だとお互いにいいだろう。
作品契約だと、仕事があって大変忙しいが、
入金されるのが半年後というのは、辛いし。
「個人としてのプライバシーもありながら、人と会いたい時は会える、
そういうゆるやかなつながり、「つながりたいが、しばられたくない」関係を
満たすシェアハウスは、これまでの共同体とは違う」
「共異体」である
「つながりたいが、しばられたくない」
ゆるやかな紐帯ってヤツ。
若い年代ほど、この意識は強いだろう。
「これまでの日本人は新築や新車への信仰が強かったけど、
変わってきていますしね。ただ、そうなると今まで新しい商品を
供給することで大きくなってきた会社が困る」
(株式会社メックecoライフ 取締役社長 平生進一)
従来の不動産広告の手法が効かなくなるってことか。
タレントを使ったり、外国の一等地のイメージを拝借するといった…
ま、広告全般にいえるけど。
「シェアできるストックを、みんな少しづつ持つようになってきたんですね。
日本は戦後ずっと、フローの豊かさを追求してきたけど、今、ストック社型会に
移行しつつある。建物もそうだし、人の知識や経験も、寄付講義などでシェアできる。歳をとってくると、自分の経験を伝えておきたくなるかも」
よくいわれるフローからストックへ。
経済が停滞し、明るい未来がウソくさく見えるこの国だけど、
成熟と見たら、どうなんだろう。
年寄りの自慢話、手柄話は耳に栓だ。
「わけあって安い」。これは無印良品の立ち上げ時のキャッチコピーだが、
それをアレンジしてみると、シェアは「分け合ってやすい」。
分け合えば、安くつくし、生き易い、暮らし易い。