私たちはこうして「原発大国」を選んだ - 増補版「核」論 (中公新書ラクレ)
- 作者: 武田徹
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2011/05/10
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『私たちはこうして「原発大国」を選んだ』武田徹著を読む。
断片的に知っていたことを串刺しにしてくれる、まさに核論の総論。
○「第五福龍丸の被爆」で映画『ゴジラ』が生まれたが、
同じ頃、中曽根康弘により「原子力予算が通過」した。
この第一作目の『ゴジラ』は、確かに反水爆をベースにした
重苦しいものだった。
○原爆開発の中心人物オッペンハイマー。
「ドイツ系ユダヤ人」である彼は、
ナチスドイツが行った同朋の大量虐殺への報復の意味も込め、
原爆開発にあたったのではないかと作者は推察する。
「広島、長崎への原爆投下」後、反原爆に転向する。
「「東京に作れないものを作る。作ってどんどん東京からカネを
送らせるんだ」(『アサヒグラフ』88年6月10日号)
○これは田中が柏崎刈羽原発に関して述べた言葉として伝えられている」
この田中角栄の言葉は依然として
地方出身の国会議員には生きているのだろう。
有権者から「あんたが議員になったら何してくれる?
道路、新幹線、ハコモノ」
理念より利益。
○大熊町などは原発を誘致して人口流出に一応歯止めはかかったが、
「仙台」並みの都市になるという目標は
電源三法のもとでは、有り得ないことがよくわかる。
要するに人口が密集していない土地に原発はつくられるのだから、
住民が増大しても、都市部の工場のように移転はしないだろう。
あ、それから浜通り出身の村西カントク(ってもうカントクじゃないのか)の
コメントも紹介。
NEWSポストセブン 村西とおるの反原発活動観 山本太郎に「反モチ運動」を提案
○原発に対して「「スイシン」「ハンタイ」のような二つの立場を超える」
言うは易しだが。