果てしない流れの果に

果しなき流れの果に (ハルキ文庫)

果しなき流れの果に (ハルキ文庫)


仕事の打ち合わせ日時が決まる。
時間が空いたので付け焼刃も錆びついた?まさか。


朝日新聞の読書欄で東浩紀が取り上げていた
小松左京本3冊のうち『果てしない流れの果に』を読む。
文庫版の解説が大原まり子という懐かしい名前が。
大原が書いているようにとても「1965年に書かれた」とは思えない。
ひねた読み手をここまでワクワクさせるとは。
ゲラかなんかで著者がわからないようにして読んでもらえたら、
きっとすごい新人作家が現れたと思うだろう。
1965年より2011年のいま読んだほうが、フィットしている。
物理学、考古学などへの薀蓄と物語りの巧みさ、文章の読みやすさ。
時制や時空のハンパない飛び方や展開にもムリや破綻を感じさせず、
熱心なSFファンじゃないぼくにも十分に楽しめた。
時間や空間のはぐらし方が磯崎憲一郎の小説にも共通するものがあるけど、
とぼくには感じられるが、さらに未来軸まであるんだから。
こりゃ小松左京祭かな。


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