断捨離

原発を終わらせる (岩波新書)

原発を終わらせる (岩波新書)


原発を終わらせる』石橋克彦編の感想メモ。

「アメリカの原子力開発によって、先住民の大地と健康が破壊されつづけてきた。現在にいたるまで、誰も立ち入れなくなってしまった聖地は、数えきれない。先住民は植民地主義政策のもとに土地を略奪され、労働力として使い捨てられ、そのあと、エコサイドによってまたもや国家に土地を奪われ、伝統文化を
継承することができなくなった」
福島原発避難民を訪ねて 鎌田遵−

アメリカ先住民と福島原発避難民の共通点。都市の繁栄を地方が支える図だが、
圧倒的な不均衡とはいえない。交付金や雇用など見返りも大きかったのだからと
いまだにいばって言っている輩は少なくないのだろう。

「今回の大震災を契機にこの点で有名になったのが東京港区の六本木ヒルズである。六本木ヒルズは、震災直後の3月18日から4月30日までの間、自家発電で4000キロワットを東京電力に売電したという。その地価に設置されているガスタービン型自家発電施設は、都市ガス(天然ガス)を燃焼させたときに発生する推力を利用してタービンを回し、発電する仕組みのため、計画停電下においても電力を
安定供給できた。この自家発電は、発電と電力消費が同一の場所で行われるため、送電ロスがほとんどないというメリットがある」

電力は保存がきかないし、送電する際、かなりのロスが生じるそうだ。
電力こそ地産地消されなければならないだろう。
「東京都が天然ガスの発電所を東京湾につくるプロジェクトに着手しよう
」としているらしい。
東京天然ガス発電所プロジェクトチーム始動!

「蓄電池技術は、再生可能エネルギーの大量導入や「スマートグリッド」(分散型電源をつないで電力を双方向にやり取りする次世代電力網。情報通信技術で需給双方を最適制御してその過不足を解消できるので「スマート(賢い)」と名づけられている)に関連して、それを可能にする中核技術の一つとして議論されてきた。-略-原発事故とそれに伴う電力不足が、必要とされていた変化を否応なく前倒しさせた形になっている」

  • 経済・産業構造をどう変えるか 諸富徹-

関連してこんなニュースも。TVCMでも見た記憶が。

日産自動車、電気自動車のバッテリを家庭で使うシステムを公開

「原子力発電は根本的に見なおすべきときに来た。-略-1950年代、原子力が新しいエネルギー源になるかもしれないと思われたところまでは、よいとしよう。しかし、それが制御可能なのかどうか、社会に災厄をもたらさないかどうか、真剣に検討すべきであった。また、ほんとうに安価な電力たりえるか、きびしく検討されるべきであった。専門家も政治かも、夢のエネルギーと熱に浮かされたかのように思いこんだのではなかったか」

「それから60年を経て、核エネルギーを、軍事は言うまでもなく民事にも使ってはならないという現実に、わたしたちは直面しているのだ。
1938年の核分裂の発見いらい、ようやく、人類は一度は身につけた「知」を
自らの手で捨てることができるか、できないかの選択を迫られていると
いうべきである」

  • 原発のない新しい時代に踏みだそう 山口幸夫-

いわゆる原発村の強権力が、巻き返しを狙っているらしい。
この本によると日本のいまある原発はもはや老朽化しているそうな。
新設したくてもできなかったなど諸事情はあるけど。
いきなりすべて廃炉がムリならば、徐々にそうしていくしかない。
断捨離だよな。


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