地震の影響

グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略 (Harvard Business School Press)

グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略 (Harvard Business School Press)


法律事務所から封書が届く。
開封してびっくり。友人のデザイン会社の債務整理開始通知だった。
フリー稼業を長いことしていると、何通かもらったことがある。
メインのスポンサーから仕事は激減したが、
手堅く仕事をしていると思っていた。
ぼくも一時期は随分と稼がせてもらった。
些少の企画料は、未払いのままになってしまったが、
それよりも彼の今後が気にかかる。
オフィスを撤退してサイズダウンして続けることはできなかったのか。
「辞めちまおう」と腹を括ったのか。
子どもは確か就職したはず。地震の影響なのか。わからない。
地震の影響といえば、いつもの仕事がそろそろかなとお伺いメールを出したら、
クライアントは混乱していて−だろうね−何とも言えない。
延期か最悪、無いかもと。
もう一件は延期となったし。困った。


『グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略』
シャーリーン・リー/ジョシュ・バーノフ著を読む。

「グランズウェルはあらゆるものを飲み込みながらたえず変化し、
ふくらみ続けている。ブログ、ウィキ、ポッドキャスト、
そしてユーチューブもグランズウェルの一部だ。
グランズウェルは製品を評価し、売買し、ニュースを書き、
お買い得品を自分の足で探す消費者であふれている。
−略−その影響はメディアから小売、金融サービス、テクノロジー、
医療に至るまで、あらゆる産業に及んでいる」

「グランズウェル(大きなうねり)」とは、
ま、なじみある言葉で言えばWeb2.0だろね。
なーんだ。ってことになるかもしれないが、参考書としては、
よくまとまっている。事例もふんだんにあるし、翻訳も結構上手。
価格は2,000円とちょい高めかと思うかもしれないが、
うすっぺらい中身もすかすかの類書を2冊買うよりは、こっちの方がいいだろう。

「ノートPC出火事故など数々の災難」を乗り越えた「デルのソーシャル戦略」。

項目だけ引用。

「□目を覚まさざるを得ないような危機が起きた
 □耳を傾けることから始め、一歩ずつ進んでいった
 □幹部の後押しとサポートがあった
 □誠実さは必須」

この「誠実さ」、正直さ、隠蔽しない。この姿勢が大事。
「製品の欠陥を正直に認めない限り、デルがグランズウェルに受け入れられることは
なかった」
政府も東電も、「誠実さ」が一番足りないのでは。


人気blogランキングへ