入学式

橋

公園を自転車で抜けると桜が咲いていた。
束の間の花見。
花見の場所取りをしている人たちがいた。
子どもの母校の小学校の前を抜けると、
入学式の看板が。タテ看と書こうとした。違う。
新校舎になったが、ソメイヨシノの木は同じ。
母が来た。


『橋』橋本治著を読む。
上昇志向の女性とその家族、
地元志向(結果的に)の女性とその家族の物語。
前半部は素晴らしく、これはすごいぞと期待したら、
後半部になって息切れ。筆致もストーリーも。
娘を殺めた母は、秋田の事件のまんまだし、
夫を殺めた妻は、いわゆるセレブ妻事件のまんまだし。
ただこの二人が、おな小・おな中だったというのが味付けなんだけど。
後半部はなんだか『週刊新潮』の黒い報告書みたいだし。
黒い報告書をくさしているわけじゃない。
引用。

「金貸しは、金を持っている奴に金を貸すのだ。
それがゆえに、金を借りたい奴は、まず金を貯めなければならない。
金を貯めて担保となる財産を作り、そのことによって、ようやく金を借りる
ことが可能になるのだ。しかも借金とは、返すものではない。
返しながら借り続ける―借金を増やし続けることが財産を増やすことで、
借金が出来なくなるということは、表向きはっきりとは言わないが、
人の人生の終わりなのだ」

こんな金言もちりばめられてあり、
純文学というよりも成年コミックスの原作のようなもの(あるいはTVドラマの原作)とみれば、なぜか、腑に落ちる。


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