キカイ

機械の仮病

機械の仮病

やはり体調がすぐれず、更新する気分にもなれず。
鼻炎カプセルの薬効が切れると、正直なものでハナたれオヤジとなる。
テスト版リライト原稿にもかからねばならないのだが。
ほぼ終了となる印刷物の仕事の見積依頼。
控えめな誠実料金でメールする。


『機械の仮病』秋田禎信著を読む。初読。
身体の一部が機械と化すキカイな「機械化病」に罹った人々を巡る短篇集。
ただし表面には機械らしきものは露呈しない難病・奇病。
井上夢人が『オルファクトグラム』では、
ニオイが視覚で見える能力の持ち主が描かれており、
浅暮三文は『針』で余りにも鋭敏な「皮膚感覚」の持ち主を取り上げている。
陳腐と思われるアイデアを破綻の無い作品に仕立てるのは、筆力のなせるワザで。
ボリス・ヴィアンの『うたかたの日々』での
肺にハスの花が咲く病は、文学少年・少女には有名な話か。
母方の祖母の葬儀で火葬場で焼かれた骨が出てきた。
中から金属片が。晩年、確か足を骨折してそれで固定していたものだとか。
「機械病」では、火葬場で骨ではなくて機械の部品がザクザク出てくる。
しかもバネとかゼンマイとか。
まるでダダかシュールレアリスムのオブジェのように思えてしまう。
ICチップとかじゃないとこがカッコイイ。
あ、リアルじゃないけどリアルだと思った。で、哀しい。
脳の一部が「機械化病」に侵されていたら、KURE5-56とかで動きは良くなるのかな。


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