夜、帰宅すると、猫が大変なことになっていた。
妻が帰宅してドアの鍵を開けると、
身構えて脱兎の如く外へ飛び出していく。
ただ家猫なもので、さほど遠くには行かず隣近所を冒険する位で
放っておくと、自ら鳴いて開けろと催促する。
ところが、昨日は、外猫のオレンジ(仮名)がいた。
母親猫がいた頃は、ビクビクしていたのに、
亡くなってからは、ボス猫としてこの路地に君臨している。
こいつは意気地がないくせに、食い気ばかりあって
母親猫のエサまで平らげ、パンチされているのを見たことがある。
今週はじめも闖入者であるアメショーのヤマダ(仮名)と、
縄張り争いで激しく唸っていた。
うちのチビメス猫の倍はあるだろう。
勝てるわけもなく、背中と心に傷を負って、帰ってきた。
しばらくは興奮状態で、手を伸ばせば、
唸る、吠えるの、興奮状態だった。
妻が撮ったケータイ動画を見せてもらったが、すごい。
ここまでのは、はじめてだ。
外猫にやられたせいか、とても臭く、濡れタオルで体を拭いたら、
思い切り引っ掻かれた。
血のついたタオル。ウィルスとかもらってなければいいが。
敵討ち。まさか。この路地では、わが家が新参者で、
エサをやっている2件の家には、文句も言えないし。
たぶん「うちの猫じゃない」とか、そういうときは、言うだろう。
母親猫が末期を迎え、うちの庭先で、何度か下痢便したときも、
ネットを張ったり、クレゾールをまいたりしたが、見てみぬふりだった。
一晩開けてやっと落ち着いたようだが、鳴きすぎたせいか声がかすれている。
スリムクラブの真栄田のようだ。
外猫のオレンジ(仮名)め、居場所は大体検討がつくぞ。
奇しくも外は雪。家族一同火消し装束に身を包んで
山鹿流の陣太鼓を打ち鳴らして、討ち入りと参ろうか。各々方。