クラシック×セカイ系

シューマンの指 (100周年書き下ろし)

シューマンの指 (100周年書き下ろし)

シューマンの指』奥泉光著を読む。


新作ごとにスタイルを変える作者だが、
この本は、東野圭吾(ってTVドラマで見たことしかないが)か、
はたまた、高校時代にフォーカスすれば、
西尾維新(ってアニメーションで見たことしかないが)も、
真っ青の青春ミステリー風味。もしくはセカイ系


主人公は、ピアニストを志す。
しかし、そばには同級生の天才ピアニストがいる。
いかに努力をしても天分のある者を超えることはできないのか。
同じピアノを弾く者だから余計にその凌駕できない隔たりに愕然とする。
大きく振り幅が揺れるガラスの十代。
アマデウス』のサルエリとモーツァルトみたいに。
作者のクラシック音楽、ピアノ曲への造詣の深さが、リアリティを出している。
んであっという着地もね。


クラシックものでは、ぼくは篠田節子の『カノン』が読んだ後に
涙が出たほど一番好きだけど、
シューマンの指』も、なかなか。
この本もまた純文学の逆襲といえるだろう。


いや本当にフジTVの『ノイタミナ』あたりでアニメーション化してもらいたいものだ。


仕事はスケジュールが伸びたもの、次に進んだもの、いろいろ。
今週と来週は新規営業も。このご時世、会ってくださるだけでもマジありがたい。


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