自由と平等

資本主義と自由 (日経BPクラシックス)

資本主義と自由 (日経BPクラシックス)

池田信夫blogで紹介していた
『資本主義と自由』ミルトン・フリードマンを読む。
解説で高橋洋一がいみじくも

「本書を読んでいて1962年に出版された本であることを忘れてしまい、
今の経済問題を論じているかのような錯覚に陥った」

と述べているが、同感。
余りにも現在の日本の政治や経済などが抱えている課題と一致している。
こういうのが本当の預言の書というんだろうな。
余りに時代に先駆けて刊行されたため、すぐには理解されなかったようだ。
例えば公立学校は学区制度などで子どもや親は
通う学校を自由に選択できないが、
それを可能にする「バウチャー制度」。
ようやく日本もそうなりつつあるようだが。


例えば「年金の強制加入」。作者は、この制度により

「国民全体が所得のかなりの割合について自由に使う権利を奪われ、」

北欧は高納税・高福祉だけど、働き手の勤労意欲を損なわれるという本音を
どっかで読んだことがある。

「そして年金を扱う巨大な官僚組織を生み出し、この組織は自己増殖的に
拡大し、国民の生活のさまざまな面へと触手を伸ばす兆しを示している」

はは。すっかり食い物にされてしまったよね。


ぼくが一番あっと思わせられたところは「自由主義と平等主義」は、
両立しないということだ。
自由主義はあくまでも「個人の尊重」であり、
平等主義は「権利も機会も平等」であり、そのためには

「誰かから取り上げて別の誰かにあげる」

ことを辞さない。
作者はそれを「正義」と呼ぶ。


ふと思い出したが、子どもが保育園のとき、
芋ほりに行った。彼女は懸命に沢山のさつま芋を掘った。
ところが、最終的には、一人3本と均等に分けられた。
腑に落ちないらしく、「どうして私が掘った芋がみんなもらえないのか」と
泣いていた。
自由主義は小さな政府で官の介入を拒む。
社会的弱者に優しくない。ちっちっちっとエースのジョーのように、
そんなことはない。寄付やボランティアなど、手厚いぜと。
平等主義は、どうだろう。
さて、ぼくたちは、どちらを選ぶのだろう。
ファイナルアンサー!!


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