夏じゃん

白鯨 モービィ・ディック 下 (講談社文芸文庫)

白鯨 モービィ・ディック 下 (講談社文芸文庫)

夏じゃん。


『白鯨』メルヴィル千石英世訳下巻を読んでいる。
すっかりピークオッド号の乗組員となった俺は、船酔いにも、
捕鯨の際の大量の血にもようやく馴れてきた。
エイハブ船長vsモービィ・ディックの対決ってイメージが強いが、
どっこい人間と鯨の関わりを多角的に考察していて、
ストーリーよりもそちらの方が、かえって読んでいて強くひかれる。
捕鯨船は単に捕鯨するだけではなく、
捉えたクジラを屠って、捌いて、鯨油を取る。
それを精油して木製の大樽に詰めて帰港する。
ほらよくいわれるけど、日本の捕鯨は獲った鯨を肉から骨からヒゲから
すべて無駄なく活用しているが、西欧諸国は油だけとって捨てていると。
それは、文化の違いだからどっちが正しいとかはいえない。
本書にも、鯨肉をステーキで食するシーンが出てくるが、
あまりにも大量すぎて食べきれない。
蟹工船ならぬ鯨工船とタッグを組んで、油を絞った肉は、
船上で缶詰にでもしてもらえばよかったのに。など、勝手に妄想する。
ジャパン沖漁場−小笠原諸島あたりか−は、
やはり昔から鯨の宝庫だったようだ。
台風に遭遇したピークオッド号。死ぬかと思ったぜ。
いよいよ話は佳境に入る。


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