スター 1001話

星新一〈上〉―一〇〇一話をつくった人 (新潮文庫)

星新一〈上〉―一〇〇一話をつくった人 (新潮文庫)

風が止んでしまったのだろうか。
嵐の前の静けさ。連休前に駆け込みで来るのかな。
ま、結果待ちということで。


寒いんでエアコンの温度を上げて、
星新一 1001話をつくった人』最相葉月著を読み出す。
元祖ショートショート。
ぼくの後の世代あたりから文庫本で人気が出たんだ。
ぼくは、ほとんど読んだことがない。
友人のすすめで、いきなり筒井康隆からスタートした。
野口英世と同郷でアメリカ留学体験のある父親。
「解剖学の草分けの」父と「森鴎外の妹」の母から生まれた母親。
製薬会社の経営はいまでいうベンチャー企業として一時期は成功した。
さらにチェーンストアを全国に展開するなど、やり手だった。
しかし、官あるいは財閥によって叩かれる。
戦後、会社は傾き、星新一は会社経営から手を引き、作家となる。
そのきっかけが江戸川乱歩
戦前の東京の山手の文化、エリート教育を改めて知る。
何たって面白いのは、日本のSFの黎明期。
製薬会社では「若旦那様」と呼ばれて、自宅では寡黙だったらしいが、
いったんスイッチが入ると狂気の沙汰となるあたりは、さすがSF作家。


星新一といえば真鍋博のイラストレーションがつきもの。
昔、勤めていた広告会社で某クライアントが真鍋のイラストレーションで
企業広告を出稿しており、原画を見せてもらったことがある。
薄いボードか厚口のケント紙にロットリング(たぶん)で描かれてあり、
−カラーじゃないんだ−そこに、かぶせてあるトレーシングペーパーには、
実に細かい色指定がしてあった。
こりゃ製版屋泣かせだと思った。


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