ちりぬるを

決壊 上巻

決壊 上巻

仕事の資料本を借りに図書館まで行く。
桜が散りかけているのに、薄ら寒い。
帰りはいつもの公園内を抜ける。
まだ花見をしている若者グループと
ブルーシートがまだ何面もかけられている。
昼食後、原稿を一応仕上げ、表記をチェックする。


平野啓一郎の『決壊』、読了。
熱病にでも罹ったかのようにページをめくる。
親−子、兄−弟、都会−地方、家族持ち−独身、
男−女、善−悪、正常−異常、被害者−加害者、
暴力−非暴力などが、オセロゲームのように、
くるくるとひっくり返る。
ラスト前の惨劇のシーンで出てくる人間が、
なぜかゾンビの集団のように思える。
抉られた人間の内奥、現代の悲喜劇。
どっしりと重たいものが残る。


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