撤去・保管手数料3000円

出版奈落の断末魔―エロ漫画の黄金時代

出版奈落の断末魔―エロ漫画の黄金時代

自転車、盗られたんじゃなくて撤去されてたんだ。
現場を通りかかったら、立て看があった。
そういえば、知り合いも最近、自転車不法駐輪で持ってかれたって
話していた。ネットに出ていた区の自転車コールセンターに電話して、
防犯登録番号を言うと、確かに隣町の保管所にあるそうだ。やれやれ。
冷やしたぬきうどんをすすってから、ピックアップに行く。
撤去・保管手数料3000円、高いのか、安いのか。
このハンパない自転車の山は宝の山なのか、墓場なのか。
どんだけ引き取りに来るんだろう。猶予は1ヵ月。
同類のオヤジが自分の自転車を探していた。


『エロ漫画の黄金時代』塩山芳明著は、
エロ漫画家と編集者の生々しい人間模様が面白くもあり、なつかしくもあり。
作品じゃなくて漫画家と編集者というのが、
現場ならではのドラマを感じさせてくれる。
エロがつくとさらに漫画家は屈折度を深め、編集者も大変だろう。
ひと昔前は、いかにも怪しげ、詐欺師然とした人がギョーカイにいた。
結局は無能、有能であってもいい加減なんだけど、
口が立つからしばらくは要職を務める。
でも地金がバレバレになって、そこには居られないんだけど、
どういうわけか会社を転々と渡り歩く。
まだそういう人種は、ギョーカイにしがみついているのだろうか。
憎めないけど、こき使われている外部スタッフがタダ働きじゃ、たまったもんじゃない。
バルザックの『幻滅−メディア戦記』を彷彿とさせる。
昔書いたレビューでさわりを紹介。


作者よりももう少し上、団塊の世代までは、確かに儲かったようだ。
広告会社経営も、出版社経営も。


『幻滅−メディア戦記』オノレ・ド・バルザック 野崎歓+青木真紀子 訳
<男の美貌は、七難、隠す。>


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