にほひ

このところ朝、窓を開けると、芳香が鼻を突く。
金木犀だ。路地の入口の家に何本かある。
少し歩くと表札から察するに日本舞踊のお師匠であろうお宅には、
金木犀の大きな木が5本ばかり並んでいる。
隣接している敷地にかつては古びた豪邸が建っていたのだが、
敷地は借地だそうで、取り壊され、切り売り。
前の住人が小さな家を新築して、あとは豪華ワンルームマンションが
ほぼ完成で、一区画が更地のままになっている。
染井吉野が淡桃色の花を咲かせると、遠くからでも
こんなところに桜の木があったんだと思わせるが、
金木犀は、視覚よりも先に嗅覚に挨拶をしてくる。


相次ぐ日本人科学者のノーベル賞受賞のニュースは、
インタビューに応じる各先生のキャラクターもあって
なんだかうれしくなる。
教授でいくのか、研究者、学者でいくのか。
後者を選んだ人は、研究環境や条件の整ったアメリカなどへ行ってしまう。
純粋に学問を究めたい人は、ナショナリズムなんて意識しないのかもね。
町工場にいる金物加工の絞りの達人とも共通するものを感じる。


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