墓参り-1

かけがえのない人間 (講談社現代新書)

かけがえのない人間 (講談社現代新書)

8月8日は炎天の中、打ち合わせに行き、
逃げるように帰る。


8月9日は、早起きして、つばさに乗る。
ネコが見送り。
日本百名山おじ・おばを見かける。
手にしたレジ袋には、スポーツドリンクと粉末のアミノ酸が透けて見える。
山は熱中症よか落雷が怖いよな。
一応、新盆で寺から墓参りなのでめったに着ない長袖ワイシャツと薄手のねずみ色のズボン、
黒の革靴という暑苦しいいでたち。
温泉宿に宿泊する予定なので、そこで半ズボンとTシャツ。それまでの我慢。


『かけがえのない人間』上田紀行著を車中で読む。
確か仏教観をベースに近現代の物質文明を批判してる人、ヒッピーみたいに。
癒しという言葉の言いだしっぺでもあるとか。
オレたちは人間でモノじゃない。オレはオレで、オレの代わりはいない。
だからオレは工場の量産品ではない。消耗品でもない。
てなことを、やわらかく書いている。
○KYを恐れるな
○愛されることを望むな。愛して傷つくことを怖がるな
○ザセツは人生の良薬だ。
○せっかくこの世に生を享けてきたのだから、自分の人生を生きよう
(エゴイズムなどと勘違い、混同されがちだが)
などと、作者の人生、個人的体験の基づいて述べているのだが、
例によって本筋に関係ないとこで興味というか野次馬根性が起立した。


作者の生家は、
『赤坂檜町テキサスハウス』と呼ばれ、
当時の若手芸能人のサロンだったようだ。父親は、作家志望の高等遊民、母親は劇団の演出家のタマゴ。
ご多分に漏れず、父親は家作に手をつけ、広大な地所を売却。
杉並で暮らすが、やがて出奔する。母親は、やがて翻訳家となり、『推定無罪』などの人気翻訳者となる。
父親への愛憎の矛先が、容貌が似ている幼年時代の作者に向けられる。その軋轢。
作者は、東大の見田宗介ゼミで、自分の居場所を見つける。
でインドにはまる。インド病にかかるが、インドのリピーターになったとて、
現状は何も打開しないことに気づく。ここなんだよな。気づくか、気づかないかの差。
見田ゼミか。大澤真幸もそうだし、この本に出てくる作者に大きな影響を与え、
現在大手広告代理店にいる人とは、
昔、メセナ広告の仕事でご一緒したことがある。
神田の裏ぶれた定食屋で昼食をとったっけ。
んで、奥さんが、NHKの人気アナウンサー武内陶子とは。


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