- 作者: 小林多喜二
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1954/06/30
- メディア: ペーパーバック
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週末からの作業がひと段落。あとは、追加なり修正なりを待つ。
新規の仕事なんかもウエルカム。はにかむ。ハニカム構造。
「「蟹工船」再脚光…格差嘆き若者共感、増刷で売り上げ5倍 」YOMIURI ON LINEだそうだ。
新潮文庫の表紙が、もろ、ロシア構成主義で、かっけー。
書映を貼り付けたい、それだけの理由でエントリー。
ぼくは、中学の時、小林多喜二惨殺の写真を雑誌で見て、
なになに国家から殺されるくらいほどの物凄い小説なのかと読むのをしばらく躊躇していた。
たぶん、親が買い与えた日本文学全集のプロレタリア文学の巻で意を決して読んだ。
『太陽のない町』徳永直とか入っていたはず。
感想は、なーんだノンフィクション、ルポじゃねーか(いまでいうところの)。
蟹漁や漁師たちがいきいきと描かれていたのを覚えている。これで弾圧かよって。
で、「格差嘆き若者共感」で売れているのだろうか。ほんとに。
だったら、『太陽のない町』だって、啄木だって売れていいはず。
『資本論』が脚光を浴び、新訳の『カラマーゾフの兄弟』が売れている、
チェーホフの芝居が上演されるのも、コンテンツ自体の色褪せない魅力なんじゃないだろうか。
一世を風靡した文学や音楽でも、しばらく経つと、
再読や再聴にまったく耐えられないものもあるし。
同時代性ってやつか。賞味期間の短いやつ。
後年、『太陽のない町』のモデルとなった印刷会社へ仕事で出入りするようになった。
よく言えばクラシックな建造物。でも、エレベーターが超のろいのには、まいった。