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一六世紀文化革命 2

一六世紀文化革命 2

『一六世紀文化革命2』山本義隆著、読了。
作者のいちばんいいたいことは、あとがきに記載されているが、
この部分をふくらませて、もう一冊、上梓してもらいたい。
かなり、科学私観っぽい内容になるので、本人にはいやがられるかもしれないが。

引用-1
「問題の根っこをたどれば、一六世紀までの職人たちがもっていた自然に
対する畏怖の念を一七世紀のエリート科学者が捨て去り、
人間の技術が自然と対等、ないし自然を上回ると過信したところにあるのではないだろうか。
その点では、技術が自然に手を加えるにあたって、優れた職人技術者が経験的に
身につけていた人間のキャパシティの許容範囲についての見極めは意外に
正確であり、その感性が暴走を抑止することになるかもしれない。
−略−しかしナノ・テクノロジーや遺伝子工学の現状を見ると、
現実はそのような素朴な信頼を追い越すまでに進み過ぎているようである」

「市民科学者」として生きた故高木仁三郎にも通じるものがある。
以前書いた拙レビューを紹介。
『原発事故はなぜくりかえすのか』
高木仁三郎著

引用-2
「科学と技術の再検討を迫るいま一度の文化革命が迫られているように思われる」


便利か不便かなどの踏み絵を踏まなければならなくなる。近いうちに。


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