数に強くなる (岩波新書)

数に強くなる (岩波新書)

てなわけで、朝から打ち合わせに行く。
もう5月は終わってしまうのか。


移動中に『数に強くなる』畑村洋太郎著を途中まで読む。
数学に弱いぼくが読んでも、とっても楽しく読むことができる本。
まず「数に強い」ということは、計算が速いとかではない。
ではどんな人のことなのか。引用。

「物事を数量的によく考えることができる人である。
こういう人は、物事の全体像がキチンと頭の中に入っていて、
その全体像との絡みで数を考え、覚えられる」

「次に、物事から数を引き出して、自分の実現したいことの
道筋にその数を乗せ、加工し、発展させることができる人である」

その後に、例として作者は、優れた経営者のバランスシートの読み方を
あげている。売上が目標額に達していないなど、
ヘボ経営者は自分を棚にあげ、目先の単なる数字で部下を攻めるが、
優秀な経営者は、瞬間的に、課題を抽出する。

これは「数に強い」=「数字に負けないシブトさ」だそうで、
ふだんの修練がものをいうらしい。

『進化しすぎた脳』池谷裕二著のこの部分とリンクしている。

「人間の脳では記憶はほかの動物に例を見ないほどあいまいでいい加減なんだけど、
それこそが人間の臨機応変な適応力の源にもなっているわけだ。
そのあいまい性を確保するために、脳は何をしているかというと、ものごとを
ゆっくり学習するようにしているんだよね。学習の速度がある程度遅いというのが
重要なの、特徴を抽出するために」

「いい加減」を作者は「ドンブリ勘定」といっている。


ぼくもスーパーマーケットの買い物でレジで合計金額をよく予想する。
割りといい線といっている。
学生時代、古本屋へ本を売りに行ったことがあるが、
これも初回のとき、古書店の店主が提示した金額とさほど違わず、悦に入った。


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