いやな感じ

クロニクル

クロニクル

録画しておいた『華氏9.11』を見る。
公開当時、話題となっていたビンラディン家とブッシュファミリーの癒着ぶりよりも、
こういうドキュメンタリーを制作させ、公開させたアメリカ社会のおおらかさ、健全性よりも、
後半部の、貧困層出身で戦場に赴き、戦死した若者とその遺族に胸がつまった。
自衛隊に入ろう」ではなく「軍隊に入ろう」。
さすれば、上の学校にも行ける、未来がひらける。など甘言を並べ立てる。
先日のエントリーで紹介した『ニッケル・アンド・ダイムド』バーバラ・エーレンライク著に
出てきた「働く貧困層(ワーキング・プア)」は「匿名のドナー」だという一文が浮かんできた。
彼らは、命のドナーであり、体制保持のドナーである。ぶっちゃけいうなら、金持ちのドナーである。
現代の戦争がまるでゲーム感覚で兵器などを使いこなしているように見えるが、
現場は旧態然としたままの阿鼻叫喚たる殺し合いであって、実際、怖くてたまらないと思う。


「憲法改正の手続きを定める国民投票法が14日昼の参院本会議で、自民、公明両党などの
賛成で可決、成立した。 」拙速、急いては事を仕損じる。
いいや、鉄は熱いうちに打て。あつものに懲りてなますをふく。
いやな感じ。


『クロニクル』松浦寿輝著を読んでいる。書評集なのだが、よくできた読書のメニューリストでもある。
まったく知らない著者と知り合えるのが、この手の本の魅力。
短い文字数でおいしそうにまとめてあるので、すっと読めて、ゴクっとつばを呑みこむ本が目白押し。
小遣いが、じゃなかった、稼ぎがもう少しよかったらためらうことなく、まとめて注文するのだが。


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