- 作者: 小島寛之
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2006/01/27
- メディア: 単行本
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一気呵成に対談原稿をまとめにかかろうとしたら、
うまく話がつながらない。
たぶん、クライアントからの注文があるからなんだろ。
ジグソーパズルの中盤ぐらい。
はまるなら、はめてしまおう、ホトトギス。
力業で強引にくっつけるしかないのだが、時間の猶予があるので、
もう少し寝かせておくことにする。
『エコロジストのための経済学』小島寛之著 感想メモ
○エコというと環境学や生物学あるいは高邁な精神世界が扱う領域って気がするが、
いいや実際のところは、作者がいうように「感情論」が大きいかもしれない。
ところが、ちゃうちゃう、経済学だと作者はいう。
「環境問題は経済問題である」ってなんだか、
宇沢弘文っぽいなと思ったら、作者は弟子筋にあたるんだ。どおりで。
○いろいろな経済理論で環境問題の「解決の可能性を」模索していくのだが、
これが目からウロコ。
たとえば作者は「戦略的ゲーム理論とその解であるナッシュ均衡を利用して
環境汚染の問題にアプローチ」している。
「−略−どうせ環境汚染は均等に配分されるのだから、相手の戦略にかかわらず、
自分は「高生産」をして廃棄物の半分を相手に押しつけたほうが得になっているのである。
しかし、このことが両国ともに高生産・高汚染を選択させる誘因となり、
結果的には両国とも非効率な厚生の状態に陥ってしまうことになるのである」
○「私たちは被害者であると同時に加害者である」案外、気がつかないんじゃないだろうか。
なんたって人間が最大の環境破壊者であるわけで、
クルマ会社がハイブリットカーを出したり、エコ対策に熱心なのも罪滅ぼし、贖罪なのだろう。
○著者も引き合いに出していたロンボルグの本、以前ぼくが書いたレビューをreviewjapanより。
この本もおもろいです。オープンデータの捉え方の違いでまったく異なる論調になってしまう。
すべて鵜呑みにしなくてもいいけど、
マスコミがいかに環境危機問題で釣ろうとしているかがわかるはず。
『環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態』 ビョルン・ロンボルグ 山形浩生訳