頭でっかち

昆虫―驚異の微小脳 (中公新書)

昆虫―驚異の微小脳 (中公新書)

昨夜はあっけなく現職都知事の3選が決まってしまい、
1ラウンドのゴングが鳴ると同時にK.O.って感じ。
そのあっけなさに「なんだよー」てなもんでフテ寝を決め込む。
元県知事の落下傘候補じゃあ、結局、相手にならなかったか。
太陽族には、元クリスタル族でもぶつけないと都民は納得しないのかも。
映画『ロッキー』のような奇跡はそうそう起きない。


早起きしてスローガンの直しというか追加作成にかかる。
朝飯前のひと仕事。TVをつけりゃ、勝てば官軍なのか、
あれあれチャンピオンの語気が以前のように勇ましいぞ。

『昆虫―驚異の微小脳』水波誠著の読書メモ。


「昆虫の脳を」「ほ乳類の脳「巨大脳」と対比して「微小脳」という概念で捉える」

「微小脳はニューロン数が少ない、つまり容量の小さい微小脳では、抹消の感覚ニューロン
段階で取捨選択した情報だけを脳に伝達する。−略−「粗い情報処理」というデメリットは
あるが、「速い情報処理」というメリットもある」→「階層が浅い」→「速い」

「巨大脳は多数のニューロンからなる集団が機能単位となり、集まった膨大な情報を精密に処理できる」
→「階層が深い」→「精密」(遅い?)

だからなのか、ぶんぶん飛び回るうるさいハエを、なかなか叩きつけることができないのは。

「ヒトの脳をスーパーコンピュータにたとえると、その性能(情報処理能力)がはるかに劣る昆虫の脳は
せいぜいノートパソコン程度であろう」
「しかし、−略−性能ははるかに劣るが小さくて使い勝手のよいノートパソコンが、市場という生存競争
の現場では圧倒的な勝利者である。そう考えると、生態系という生存競争の現場では、昆虫の微小な脳の
方が圧倒的に成功していると考えられないだろうか」

たとえば、複眼を持つイエバエやトンボはさぞかし高画素数と思いきや、イエバエは「画素数12000」で、
水色メガネのトンボであっても「画素数は50000」であるそうだ。
それでも支障は来たさず、現在に至っている。

分相応なのか適者生存なのかはよく知らないが、
昆虫たちはきわめてファンクショナル(この表現で適切かどうか不明だが)にできていることを知る。
それに、単なるスペックだけでは優劣はつけられないというのは、どことなく愉快ではないか。
遥か太古から飛べた昆虫たちに対して万物の霊長なんていってるヒトがようやく空を飛べたのは、
生物史的に見れば、つい最近のことだし。

昆虫の脳にある「キノコ体」に興味を覚えた。「匂いなどの学習・記憶に関わる」そうで、
現在でも解明中とのこと。


昆虫の(脳の)速さとヒトの(脳の)精密さ、この対比は面白い。
ヒトは文字通り頭でっかち。「大男、総身に知恵が回りかね」っていうことわざもあったっけ。
昔読んだ『ゾウの時間ネズミの時間』の読後感にも似ている。


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